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早稲田大学 Cato との協力で汎用性が高く安全なリモート学習環境とデジタルトランスフォーメーションを実現
課題:汎用性が高いリモート学習環境
2020年、新型コロナウイルスが世界に広がった際、ほとんどの企業団体は、リモートワークへの対応を急ぐあまり、デジタルトランスフォーメーションに関する取り組みを中断せざるを得ませんでした。これは多くの場合、ネットワークの迅速な変革とセキュリティ体制の劇的な変化を意味していました。
早稲田大学はその典型です。早稲田大学は、日本有数の私立大学で、学術研究と高等教育を行っており、本部キャンパスを東京に構えています。
「本学では、研究、教育、大学運営の3分野で、数多くのデジタルトランスフォーメーションイニシアチブを企画して、次世代の教育インフラを設計・導入しようとしていました。ところが新型コロナウイルスの影響で、IT の立ち位置が劇的に変化したのです。」と、早稲田大学情報企画部の楠仁志氏は語っています。
他の多くの大学と同様、早稲田大学でも、ほとんどの授業が対面で行われ、ホワイトボードを使用していました。ネット接続が途中で切れても、授業の進行に重大な影響はありませんでした。「ある日突然、すべての授業がオンラインになり、IT インフラは不可欠なものとなったのです。」と楠木氏は述べています。「計画中の次世代インフラでは、どんなときも通信が途切れないようにしなければならないことが、明確になりました。」
早稲田大学は、リモート学習向けの VPN ハードウェアを運用していましたが、同じく情報企画部の小泉幸広氏によると、負荷が増大したことにより「VPN トラフィック ジャム」が発生していました。
楠木氏は、オンライン授業をサポートするには、ネットワーク容量を大幅に増やさなければならないことに気付きました。新たに多額の資金を投入する必要が生じたのです。「確保した予算で必要なパフォーマンスを得るには、何らかの最適化を行う必要がありました。」
デジタルトランスフォーメーションの可能性に賭けた早稲田大学は Cato を選択
楠氏に Cato を紹介したのは、早大にクラウドソリューションを提供していた納入業者 GlobalDots に勤める友人でした。
「初めは単純に、Cato は、リモートワークやリモート学習に使える VPN の代替手段であるというイメージを持っていました。」と楠木氏は述べています。「ところが Cato のさまざまなオプションを検討したところ、Cato は本学のファイアウォールやその他の既存のセキュリティ ソリューションを置き換えることができ、将来の IT 投資の最適化に大きく貢献できるという結論に達しました。」
Cato は、あらゆる企業向けのグローバルネットワークリソース(ブランチ ロケーション、モバイルユーザー、物理およびクラウドのデータセンターを含む)を、単一の安全でグローバルなクラウドネイティブネットワーク サービスに接続します。あらゆるワイドエリアネットワーク(WAN)やインターネットのトラフィックをクラウドに統合することで、Cato は一連の堅牢なセキュリティサービスを適用して、マルウェア対策、次世代ファイアウォール、コンテンツフィルタリング、IPS などのすべてのトラフィックを守ります。
単純な構造の Cato Socket アプライアンスを設置するだけで、各拠点は Cato に接続することができます。いったんアプライアンスを設置すると、世界70か所超に展開する Cato のポイントオブプレゼンス(PoP)のうち、最も近いポイントに自動的に接続します。Cato では、ローカル PoP が、グローバルなバックボーンとセキュリティ サービスへの入口の役割を果たしています。バックボーンは、パケットロスをゼロにし 99.999% の稼働率を確保するため、自営で管理されているだけでなく、WAN 最適化装置が組み込まれており、スループットが大幅に向上しています。Cato は、ネットワーク トラフィックを監視し、Cato バックボーン全体の各パケットに最適なパスを選択します。モバイルユーザーは、同一のバックボーンを通して実行され、同一の最適化機能の恩恵を受け、リモートアクセスのパフォーマンスが向上します。
楠氏は、在宅オンライン学習の分野から Cato を導入することにしました。「これにより、多くの人びとがこのシステムを利用し、その使いやすさを実感する機会になりました」と楠木氏は述べています。「これは、より広範に Cato を導入する方向で、本学が決定を下すにあたり、非常に重要な要素になったと思います。Cato が、既存の機器を統合・交換し、ネットワークやセキュリティにかかる費用を削減するのに非常に効果的であることが分かりました。」
早稲田大学と GlobalDots のあいだのパートナーシップのおかげもあり、在宅リモート学習の展開は、スムーズに進めることができました。「GlobalDots のみなさんが、概念実証(POC)の実施をお手伝いしてくださいましたので、システムを非常に素早く導入することができました。」と小泉氏は述べています。「大学幹部は、POC 中にシステムを利用することができましたので、これが承認につながりました。」
単純さと低コストなスケーラビリティ
小泉氏は、Cato を活用することで、早大が非常に素早く帯域幅を広げられたことに、感銘を受けています。「オンプレミスのハードウェアを運用している場合、帯域幅をアップグレードには、ハードを交換しなければならないことがよくありますが、Cato では何も交換する必要がありません。」と小泉氏は述べています。「Cato のおかげで、ほぼ瞬時に、帯域幅をアップグレードすることができました。」新型コロナウイルスの感染拡大で、早大はますますクラウドサービスに依存するようになっていたため、手早く帯域幅のアップグレードができるのは、非常に役立ちました。小泉氏は、定期的に費用をかけてハードウェアをアップグレードすることは、今後、なくなるかもしれないと考えています。
また楠氏は、Cato のセキュリティが、他の機能の妨げにならないことにも、感銘を受けています。
「それまで運用していたセキュリティソリューションでは、ユーザーの使い心地にマイナスの影響を及ぼす面もありましたが、Cato のセキュリティには、そのようなところがなく、ユーザーはどこにいても、スムーズかつ安全に、仕事をすることができます。」と楠木氏は述べています。「現場の人たちも Cato を気に入ってくれました。」
小泉氏は、Cato の身元認証と、きめ細かい監視機能により、早大のセキュリティ体制が大幅に改善されたと感じています。「とても手軽に、ネットワーク上のすべてのトラフィックとユーザーを視覚化することができます。」と小泉氏は述べています。
しかし楠氏は Cato をネットワークセキュリティソリューション以上のものとして捉えています。「導入すれば、より快適になる、というだけではありません。」と楠氏は述べています。「Cato SASE のことは、デジタルトランスフォーメーションを推進するためのツールとして捉えています。このツールを活用することで、セキュリティポートフォリオを全面的に再編し、コストを抑え、学生、教授陣、大学職員の能力を最大限に引き出すことができます。生産効率を高め、どこでも安全に作業できることで、あらゆるデジタルトランスフォーメーションイニシアチブを力強く後押ししてくれます。」
楠氏は、他の大学や団体に対しても、Cato ソリューションを検討するよう、強く勧めています。「百聞は一見に如かず、です。気軽に Cato を試してほしいと思います。いきなりリモートワーカー向けとして導入することもできますが、どのように導入するにしても、まずはよく検討することが大切です。」
経緯
早稲田大学は、日本でもトップクラスの大学のひとつで、学術研究と高等教育を行っており、東京に本部キャンパスを構えています。Cato 導入以前の早稲田大学では、VPN ハードウェアを利用して、約 3,000人の学生、教授陣、大学職員が、リモートワークやリモート学習を行える環境を整備していました。